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怪談・牡丹灯篭は落語家の三遊亭円朝の噺で広く庶民の間に知られるようになりました。落語の牡丹灯篭の元になったのは19世紀になって書かれた鶴屋南北の「阿国御前化粧鏡」。山東京伝の「安積沼」があります。
牡丹は中国の代表的な花ですが、実はこの牡丹燈篭という物語は明の時代に書かれた剪燈新話という本に出てくる物語です。上田秋成の雨月物語にも剪燈新話から引用された物語がいくつもあります。牡丹燈篭をモチーフにしたと思われる「吉備津の釜」や剪燈新話の愛卿伝をモチーフにした「浅根が宿」などが引用されています。
登場人物の名前など諸説ありますが、代表的なストーリは以下のようなものです。
萩原新三郎という浪人者が顔見知りの医者の宅に伺ったところ、治療に来ていた武家のご令嬢お露と女中のおヨネに出会います。
新三郎もお露もお互い一目ぼれし、この人以外に伴侶となるものはいない!と心に誓っては見るものの、かたや武家のご令嬢、かたやしがない浪人もので身分の違いはいかんともできません。ある夜、新三郎が家にいると下駄の音が聞こえる。こんな時間に誰が歩いているのだ?と気になって外に出てみると、牡丹の絵柄の美しい提灯ぶら下げてお露とおヨネが歩いて来る。「これはこれは、こんな夜更けに何用ですか?」「新三郎さまに会いとうて」と、それから毎晩お露が訪ねてくる。
近所の者も、毎晩何しているんだ?と気になり、好奇心半分にのぞいてみると、新三郎が楽しそうに話し掛けている相手はなんと骸骨。新三郎に思いを寄せながらもお露は病を得て死に、それを追うようにおヨネも死んでもはやこの世のものではありません。毎夜死人と情を交わしていた新三郎も日に日にやつれていく。これはいかんと周囲のものがお坊様に頼んで新三郎を助けようとします。新三郎の家の入り口にお札を貼って、お露が入れないようにしてしまいます。
「新三郎さま、お札を、お札をはがしてくださいませ」とお露が懇願します。新三郎もあの世に連れて行かれてなるものかと拒むのですが、ついにこらえきれずにお札をはがしてしまいます。しらじら夜明けも近い頃、おヨネの照らす牡丹灯篭の後にお露と新三郎がついていきます。後にお露の墓をあばいてみると、棺の中にはお露の骸骨を抱いた新三郎が入っていた。
何本か映画化されて、筆者も本郷功次郎が浪人役で赤座美代子がお露の役
どころでしたが、とにかく怖かったのを鮮明に憶えています。
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